高齢の多くの親御さんにお逢いするたびに
「子供の世話にはなりたくない!」
「子供に迷惑はかけたくない!」
とおっしゃられるのですが、今のままなにもしないと必ず
「老後や介護で子供の世話にならないといけません!」
「老後や介護で子供に迷惑をかけざるおえません!」
という現実を親は理解をしなければいけません。
ただそれが
子供たちの許容範囲内なのか?
もう限界を超えたものになるのか?
は親自身の考え方と行動次第だと思います。
あなたの老後は多かれ少なかれ【子供たちに迷惑をかけます】
子供たちに老後や介護で迷惑をかけないようにするには
親の「覚悟」「準備」「決断」が必要です。
「覚悟?」
「準備?」
「決断?」
というと少し大変そうに感じるかもしれませんが、その多くは当たり前のことばかりです。
ただこの当たり前のことがなかなか難しいのも事実なんですけどね・・・?
自分の老後や介護を想像してみれば子供に迷惑がかかることがわかるはず
親自身が自分の10年後、20年後の姿を想像してみる・・・
実はこれが一番難しいかもしれません。
今のままの状態が永遠に続く?
そう、ありえないことなのですが自分に限ってはそう考えてしまうものなのです。
だからこそ今タイムマシンに乗って10年後20年後の未来に行ってみませんか?
えぇ、あくまで想像の世界なんですけどね。
さあ、タイムマシンの準備はできました。
これにお乗りください!では出発いたします!
静かに目を閉じて一度自分の10年後20年後の状況を想像していただけませんか?
今のあなたが70歳なら10年後は80歳、20年後なら90歳です。
80歳なら90歳か100歳です。
お孫さんが今10歳ならもう二十歳の成人していてもしかしたらひ孫までできているかもしれませんね。
どうですか?具体的にイメージが湧きますか?想像できますか?
えっ?想像できない?なら、お知り合いの80歳か90歳くらいの方を具体的に想定してもかまいません。
それでも想像できないという方にはこの動画を見ていただけますか?
少しショッキングな動画だったかもしれませんが、いつかあなたにも襲い掛かる現実かもしれません。
それだけ真剣に考えないといけないテーマなんですね。
近い将来の高齢の親はどんな状況でしょうか?
毎日のお買い物で重い荷物を家まで持って帰るのが苦にはなっていないでしょうか?
家の階段で1階から2階までスタスタと駆け登っていけるでしょうか?
持病の糖尿病は悪化していないでしょうか?
ひょっとしたらもう自動車の運転は危険でもうできないしれません。
もしかすると脳梗塞や認知症にはなっている可能性もあります。
えぇ、あくまでも「もしかしたら?」「ひょっとしたら?」という仮定のお話です。
でも100%否定はできませんよね?
あなたはどんな老後を過ごしたいですか?誰に介護をして欲しいですか?
そんな状況になった時にあなたは
「どんな老後を過ごしたいですか?」
「誰に介護をお願いしたいですか?」
ということを一度考えてみることがすごく重要なんです。
このことがはっきりすればできるだけ
「子供の世話にはならない!」
「子供に迷惑はかけない!」
というあなたの老後や介護の実現の第一歩になります。
子供や嫁をアテにした老後や介護の考えは甘い!かもしれない?
たくさんの高齢の親御さんが嘆(なげ)かれるのが
『子供に裏切られた!』
とか
『あんな出来の悪い嫁だったとは思わなかった』
と涙ながらに訴えるのです。
でも
「それはちょっと違うんじゃないかなぁ?」
とも感じることも少なくありません。
子供にとって『もうこれ以上は無理!』それが親の介護です
遠く離れて暮らす子供にとって親の介護がいずれ大きな負担となります。
嫁ならば自分の実親の介護もしなければいけない場合もあります。
「実親」と「義両親」両方の介護はかなり大きな負担となります。
そんな状況でも「痒いところに手が届くような介護を望む」のは少々酷なことのように思います。
また親の介護費用を子供に負担させることって子供にとってはすごく重いものになります。
子供たち自身も自分たちの老後も不安なのにこれ以上は負担できず、かといって兄弟姉妹間でも話し合いがつかない?
そんな修羅場をたくさん見てきました。
実家まで車で30分以上かかる?それはもう遠距離介護です
いくら居宅介護支援サービスをうまく使っても毎日のお買い物や病院への付き添いなどでの細かな心配りは子供などの家族にはかないません。
だからこそ子供たちの手助けも必要になってきます。
まあ、週に一度か二度の買い物や病院の付き添いならなんとかこなせるでしょう。
しかし、本当の介護が必要になった時には2~3日?いやほぼ毎日 実家まで通わなくてはいけなくなります。
遠く離れて暮らす子供や嫁にそれが可能でしょうか?
さらにその状況が何年も続くかと思うと・・・
誰もが歳をとると「頑固ジジイ」「意地悪婆さん」になるものです
みんな歳をとると「頑固ジジイ」「意地悪婆さん」になる?
そうお話しするとみなさん「私はそうはならない!」なんて思われます。
でも、これってかなりの真実なんですね。
歳をとればだれでも日増しに身体のどこかにガタがきます。
昔ほど自由や無理がきかなくなった不満やストレスを誰にぶつけるかというとそれはやはり「家族」なんです。
「身体のどこかが痛い」
「昔はできていたこどが今はできない?」
そんなストレスから思わず「暴言」やきつくや当たってしまうのも無理はないのですが、当てられたほうはいずれ我慢の限界がきます。
介護スタッフなどの他人ならば仕事と割り切ってなにを言われても聞き流せるのですが、こと家族になるとそれも意外と難しいものなのです。
でも、これって『初期の認知症』の場合もあります。
私自身も今から振り返ると「いつも不機嫌で怒ってばかりのお母ちゃん」でした。
ほんの些細なことでそれこそ大激怒していました。
暴言や汚い言葉で罵られたこともありました。
正直 同居していた私は心が折れて別居の兄や姉にS・O・Sを何度も出したものです。
しかし兄や姉たちが実家に訪れると優しく迎える母でした。
今から考えると「やっぱり初期の認知症だったのかなぁ?」とも思います。
でも、こんなことが何度も続くとやっぱり子供たちが親から遠ざかっていくのは仕方ないことかもしれません。
いずれ今の家に住み続けるは介護で子供に迷惑がかかる
やはりできるだけ最期まで住み慣れた街で、住み慣れた我が家で暮らし続けたいものです。
しかし、これが意外と現実問題としてすごく実現が困難なんですね。
今のお住まいで10年後20年後も住み続けることが可能でしょうか?
特に古い戸建ては高齢者にとってはすごく暮らし難いものであることを知っておいてくださいね。
段差のあるお家は大変危険です。ちょっとした転倒で骨折入院、そして寝たきり生活になってしまった例はたくさんあります。
また毎日の買い物や病院への通院は便利な場所ですか?近所の商店街はもはやシャッター通りでお買い物には離れた大型ショッピングセンターでしかできないのではないですか?
なによりなにかあった場合(脳梗塞・心筋梗塞などは発見が早ければ早いほど後遺症が少なくなります)子供たちの家から遠く離れてはいませんか?
あなたの老後や介護で子供に迷惑をかけないため選択肢はたくさんあります
「幸せ」の定義が十人十色なように「どんな老後を過ごすか?」「誰に介護を任せるか?」は人それぞれに価値観が異なります。だから一概に「こんな老後が良い!」「介護は子供に任せれば良い!」とは言えないと私は考えています。
- 子供にかける迷惑を最小限にする
-
特に高齢の男性に多いのですが老後や介護の話をすると
「たとえ野垂れ死んでもかまわん!誰の世話にもならん!」
そういって頑なに話し合いを拒む高齢者も正直たくさんいらっしゃいます。
また何らかのご事情で家族やご親戚たちと絶縁している方もいます。
たしかに長生きすることだけが幸せとは断言もできません、
しかし、そうはいって必ず多かれ少なかれ子供の誰かの世話にならざるおえないのです。
本当に介護が必要になった時に介護がよりいっそう大変になってしまっている状況の方ってすごく多いです。
自分の身勝手で家族や子供にかえってより大きな迷惑をかけてしまう結果になったことにならなければよいのですが・・・。
『いかに子供にかける迷惑を少なくするか?』
それが親の子供に対する優しさです。
- 居宅介護支援事業所など介護のプロに委ねる
- うまく在宅介護サービスを利用していけば、家族や子供にあまり面倒はかけずに今の自宅で暮らし続けることもできます。デイサービスや訪問介護など様々な在宅介護サービスをうまく利用することは非常に重要です。ただ、いずれこの在宅介護サービスを受けながら自宅で暮らし続けるのにも限界が来ることは覚悟しておかないといけません。
- 近くで暮らす子供に老後の世話をしてもらう
-
一般的に「近くで暮らす子供に老後の世話をしてもらう」というケースが多いです。
しかし、「どの段階まで子供の世話になるか?」は少し考えておくべきです。
要介護度3近くになればかなり子供の負担は大きくなりますし、もはや在宅介護も限界かもしれません。
また【子供たちの家】と【親の家】の距離も大きな問題となります。
しかし、その段階で親を呼び寄せようとして引越しができるか?といえば現実的に無理なことが多いです。
ですから早めに
「子供が近くに親を呼び寄せる」
「子供が親の近くに引越しをする」
なども考えないといけません。
また献身的に介護してくれる子供には他の子供たちよりもなにか少しでも相続や経済的援助などで報いてあげないと介護するほうもやってられませんよ。
- 老人ホームへ入所する
-
やはり子供や家族に介護の負担をかけないのであれば「老人ホームへ入所する」というのが一番になります。
しかし、老人ホームには様々な種類やタイプもありなかなかわかり難いものです。
また、グレードもピンからキリまであります。
やはり低価格帯の老人ホームはそれなりの介護サービスや立地の悪さもありますし、上を見たらキリが無いのも事実です。
どこまでの老人ホームを希望するか?はかなり難しい選択になります。
しかし、みなさんただただ漠然とイメージしているだけで
具体的に確認しない!なにも行動を起こさない!
それが後々「こんなはずじゃなかった!」と困られるのです!
大事なのは「子供の考え」と「老後のお金」だけでもしっかりと確認しておきましょう!
老後について話し合いをしない親子や家族は超楽天家すぎるかもしれない?
「わたしの老後は大丈夫!誰にも迷惑なんかかけませんよ!」
そんなお気楽なお考えの親御さんが普通かもしれません。
でも、その楽天的な考えが将来の介護で子供に非常に多大な迷惑をかける可能性があることをご存知ですか。
年金だけで老後の資金は果たして大丈夫といえるのでしょうか?
介護が必要になった時に子供の誰が中心となってあなたの面倒をみてくれるのでしょうか?
「いざとなったら老人ホームにでも入るわ!」
と強がるあなたは
老人ホームが「どんなところか?」現場を見たことがあるでしょうか?
「いくらかかるか?」を調べたことはあるでしょうか?
親の老後で子供に迷惑をかけないためにも一度、老人ホームを内覧見学しておきませんか?
まず一般の方がイメージする老人ホームといえば「特別養護老人ホーム」(通称:特養)だと思います。
しかし、この特別養護老人ホームは入りたくても入れないのです。
詳しくはこちらの現役ケアマネージャーのお話も参考にしてください。
特別養護老人ホーム(通称:特養)は公的団体が経営している老人ホームで費用も安いのです。
でも、とにかく入居者待機者が多くなかなか順番が 回ってきません。
ですからいざとなったら民間型老人ホームも選択肢に入れないといけません。
この民間型老人ホームには「介護付き」「住宅型」「サービス付き高齢者住宅」などいろいろなタイプや種類があります。
「介護付き老人ホーム」・・・病院の延長
「住宅型老人ホーム」・・・・食事賄い付きの寮
「サービス付き高齢者住宅」・・・・バリアフリーの賃貸マンション
そんなイメージで考えてみるとわかりやすいかもしれません。
(ただこの線引きもかなり曖昧になってきました。)
また、そのグレードもまさにピンからキリまであります。
入居一時金もゼロ円から数千万円まで、月額費用も十数万円から何十万円まで?いろいろです。
(もちろん高いほど手厚い介護が受けられるともいえます。)
あなたの考えている老後に入る老人ホームのご予算はいくらくらいでしょうか?
もし、それで今 入ることができる老人ホームを一度実際に内覧見学しておきませんか?
老人ホームに入るタイミングはいつ?
「子供がいない?」
「子供は遠く離れて暮らしている?」
「老後の面倒をみてくれるはずの妻が先立った?」
「親子関係がギクシャクしている?」
各家庭には様々な諸事情があります。
そんな時には早めに老人ホーム入居を検討しないといけないかもしれません。
しかし、老人ホームも先にお話したようにいろいろなタイプがあります。
やはり医療体制の充実している「介護付き」は入居されている方も要介護度の高い方が多く、まだまだ元気なうちはちょっと居心地がよくないかもしれません。
「元気なうちは必要最低限の生活介助だけでよい!」という方や「老後の趣味も楽しみたい」という方ならアクティブに動ける駅前便利なところにある老人ホームやリクレーションに力を入れている老人ホームもよいかもしれません。
この場合はやはり住宅型老人ホームやサービス付き高齢者住宅がお勧めです。
意外と希望の老人ホームは空きが無い場合も多いことも知っておきましょう
住み慣れたエリア、子供たちが顔を見せに来やすい場所、価格帯etcでいろいろな希望条件が老人ホームに出てくるものです。
ただあなたの希望条件は他の人の希望条件でもあるのです。
だから「いざ、老人ホームに入る時が来てしまった!]というタイミングで希望の老人ホームに空きが無い?満床ということもよくある話です。
まあ、老人ホームは定期的に入居者の入れ替わりはある程度あるものですが必ずしも空きがいつもあるとは限らないことも知っておいてくださいね。
家族・親子で子供に迷惑をかけない老後・介護・相続のこを一度話し合っておきませんか?
テレビやニュースで有名芸能人が亡くなったことが報道されたり子供たちが帰省の折にタイミングを見計らって家族・親子で老後・介護・相続について話し合ってみてはいかがでしょうか?
介護・相続での「親の事情」と「子供の事情」
えてして親は子供たちに
『わたしたちになにかあったら子供の◎◎が面倒をみてもらうから』
と勝手に決め付けているケースが少なくありません。
しかし、子供たちにもそれぞれ諸事情があるものです。
親は以前から
「いずれ後継ぎである長男の◎◎は田舎に帰ってきてこの家を守っていくものだ!」
「だからわれわれの老後・介護の面倒は長男の◎◎がするものだ!この家を相続するんだから!」
と決め付けていても、子供からすれば
「仕事や子供の教育もあり、もう両親の住む実家には帰らない予定だ?」
「親が相続させようとしている実家などの不動産なんて欲しくはない?」(でもお金は欲しい)
そんなギャップは珍しくありません。
ただ、このことを親子ともうすうす気付いてはいても決して触れないタブーになっているんですね。
しかし、この話はいずれ避けては通れないことなんです!
私も身近の友人などでさえもよく相続トラブル・介護トラブルをみてきました。
その中の多くは「きちんと親が自分の考えを子供たちに伝えておけばこんなことにはならなかったのに?!」と感じるケースが多いです。例えば
■介護してきたから多く遺産相続できるわけではない
介護してきた子供も介護なんかしてこなかった子供も法律では平等な法定相続割合です。
介護の特別寄与分なんて家庭裁判所が認める割合は雀の涙と覚悟してもいいかもしれません。
また人はえてして「自分のしたことは過大評価し、他人のしたことは過小評価する」ものです。
だから兄弟姉妹間がギクシャクするのです。
親のあなたが子供たちみんなの前で「介護の件も含めて相続はこうしておくれ!」とひとことでも子供たちみんなに伝えていたらこの世から相続トラブルはどれだけ減ることでしょう。
■相続は多数決ではない!だれかひとりでも反対すればなにもできない
相続手続きの多くは相続人全員の承諾が必要です。
銀行預金の解約・不動産の登記名義変更etc
どれも誰かひとりでも反対すれば手続きは難航します。
その解決は「遺言書」(まあ親は書いてはくれないものです)「家庭裁判所へ調停申し立て」(裁判沙汰です)しかないのです。
親は「子供には迷惑はかけない!」と言うけれど老後のお金 どうします?
老後の生活資金を年金だけでは賄いきれなくなってくる可能性も考えておかないといけません。
いざとなったら老人ホームへ入居も考えなくてはいけないかもしれません。
また、夫婦片方のどちらかが亡くなった時には年金減額もありえます。
ここで老後資金のために自分の財産のチェックをしないといけません。
現金が少ない場合、認知症になったら困ります
私は「老後・介護・相続の家族会議」の際にはよく
「定期預金は解約のタイミングを考えておいて下さい!」
「ご実家など不動産は一度売却も真剣に検討してください!」
とお願いしています。
認知症になったら「実家など不動産の売却」も「定期預金の解約」もできなくなる
認知症になってしまうと原則、「実家などの不動産の売却」や「定期預金の解約」もできません。
確かに成年後見人制度を立てれば可能ですが、一度成年後見人を立ててしまうともうやめることはできず後々かなり大変です。
成年後見人へは毎月報酬(数万円~)を支払わなければいけません。
たった数万円の支出でもなにに使ったか?チェックが入ります。
なにより困るのが「実家の売却」や「なにか大きなお金が必要」な時に家庭裁判所の了承が必要になるのですがこれは成年後見人が家庭裁判所に説明し許可を得る申し立てをしますがこれがかなり煩わしい手続きになります。またそう簡単に実家の売却を認めてはくれないのです。
それをこちらの諸事情を親身なって考えてくれて、積極的に家庭裁判所にかけあってくれる?そんな熱い成年後見人さんも意外と少ないように感じるからです。
多くの親の最大の財産は実家などの不動産です
相続財産で中で最大の物は不動産などの土地建物だといわれるように、親の財産の中で一番はやはり実家などの不動産です。
老後の生活でなにか大きなお金が必要になった時にはこのマイホームを売却して現金を用意しなくてはいけません。
売るか売らないかは別にしても「もし売るとしたらいくらくらいになるのか?」くらいは調べておくことをお勧めします。
意外とみなさん実家の価値を過大評価されています。
「いくらでこの家を買ったと思っているんだ!」とよくお叱りも受けますが「いくらで買った」というのではなく「いくらで売れるか?」のほうが重要なのはご理解いただきたいものです。
また、売りたくても売れない不動産の場合もたくさんあります。
多いのが相続登記が済んでいない不動産です。
先祖代々からの不動産の場合、登記名義人は何十年も前に亡くなった祖父名義のままというケースは珍しくありません。
その場合はいったん祖父の相続人全員の遺産分割承諾書に署名捺印が必要です。
その中にはすでに亡くなってしまっている場合がありますが、えてして昔の経緯を知らない甥っ子や姪っ子には話が通じないことも多いです。
(法律上は平等な相続権利があります)
「何十年も住み続けているのに?」
「今までずっと固定資産税もこっちが支払ってきたのに?」
は通用しませんのでご注意くださいね。
また、
「昔の抵当権がそのまま」
「土地の境界確認未完了」
「前面道路が建築基準法上の道路ではなく再建築不可」
などなどいろいろな諸問題をかかえている不動産もたくさんあります是非一度専門家のチェックを受けることをお勧めします。
とにかく一度「いくらくらいで売れるのか?」は調べておくべきです。
とにかく親の老後で子供に迷惑をかけてはいけないのが「お金」ではないでしょうか?
こんなことをいうと身も蓋もないかもしれませんかやっぱり最終的に子供が親の老後で一番迷惑を被るのが『お金』ではないでしょうか?
「子供たちに相続させてあげたい」という優しいお気持ちはよくわかるのですが、果たして子供たちにその想いがキチンとつたわっているでしょうか?
私のまわりの友人や知人もたくさん相続を経験する年齢ですから起こる年代にに出会ってきましたが相続が起こった瞬間に
■ 子供たちが奪い合ったり
■ 遺産が入ったらすぐに高級車を購入したり、家族で海外旅行などの散財でものの数年で無くなる?
というケースもたくさん見たり聞いたりもします、
せっかく何年もいや何十年も身を粉にして働いてきた、また爪に火をともすような倹約して築き上げてきた親の遺産をパパッと使いきってしまう子供たちに出会うとなぜか切ない気持ちになります。
私は遺産をアテにしている子供さんたちには悪いですが
「子供や家族に迷惑をかけない親の老後・介護の実現のために、親自身が蓄えた財産は親自身が自分たちのために使うことのほうがいいんじゃないかな?」
と考えています。
西郷隆盛の名言「子孫に美田を残さず」と言う漢詩にあるようにやっぱりあまり遺産を残すと子供たちが相続でもめやすいうという現実もあります。
親自身が自分たちの老後のために優先的に財産は活用して、そして残った部分を子供たちに相続させるのが一番賢明なことじゃないかな?と私は考えています。
実は子供が大迷惑となるのは今の実家ということも知っておいてください
「やっぱり最期まで我が家で暮らし続けたい!」というのが高齢の親御さんの願いだと思います。ただ、この「我が家」というのが「今の家」とは決め付けないで下さい。やっぱり「老後の住まい」はいろいろ考えておかないといけないことって多いんですよ。
- バリアフリーかどうか?
昔の建物の設計には「バリアフリー」という考え方はあまり重要ではありませんでした。
ですから高齢者の方にとって住みづらい家であることが多いのです。 - 立地条件はどうですか?
今のお住まいは買い物や病院への通院は便利な場所ですか?
また本当の介護が始まった時にはやはり子供たちの手助けも必要になります。
しかし、「今の家」と「子供たちが暮らす家」の距離はいかがでしょうか?
親が自分で苦労して買ったマイホーム、先祖から代々受け継いできた不動産、そんなことから親からすれば相当強い思い入れのあるのも当たり前です。
でも、子供からすればそれって親のエゴというか大迷惑なこともあるんです。
あなたが老人ホームに入ってしまったり、相続が発生した後 空家になって放置されている家がどれほど多いかはあなたも近所を散歩していたらそんな空家のひとつやふたつは目にしていませんか?これって今や大きな社会問題化しているんです。
親が老後で子供に迷惑をかけないために
駅から遠い?買い物不便?オンボロ戸建て?子供の家から遠い?
そんな老後に暮らし難い家ならさっさと売却して引越しをする
というのもありかもしれません。
親のあなたが子供たちに残してあげよう!としているのが子供たちにとっては大迷惑なこともあることも理解しておいて下さいね。
じゃあどうすれないいか?は簡単です。
子供たちに「お前たち、この家は欲しいか?」と質問すれば言いだけです。
その時に顔を少しでも曇らせたらちょっと売却も真剣に考えておきましょう。
親の気持ちを考えたら「親父、俺たち こんな家なんかいらないよ!」となんて面と向かっては言えないものですからね。
また、不動産は相続トラブルを招く大きな原因になることも少なくないのですよ。
できるだけ最期まで自宅で老後を過ごしたい?なら引越しも考えないといけない
今のマンションはバリアフリーが当たり前になっています。
高齢者にとって暮らし難い古い戸建てから
「交通至便」
「買い物便利な駅前」
「子供の暮らしている場所の近所」
のマンションに移り住む高齢者が増えています。
高齢の方には「マンション暮らし」に抵抗感がある親御さんもいますが、いざマンションで暮らしてみるとなかなか快適なことに気付かれます。
日常のお掃除や買い物もラクですし、なにより嬉しいのがお風呂です。
バリアフリーのマンションのお風呂って高齢者にもとても優しい設計になっています。
非常通知や手すりの設置、ヒートアタック防止etcもう時代は進んでいるんですね。
日常生活も万一車椅子でも楽々移動ができます。段差ばかりの戸建てならこうはいきません。
不動産を売却して老後のお金を確保する方が増えています
財産の中の占める割合で現金預貯金よりも多いのがマイホームなどの不動産という方が多い中、これを売却して老後資金に充てる方が増えています。
いざ、「老人ホームに入らなければいけない!」という時にあわてて売却しなければいけないことも多いです。
でもその時には「認知症などの問題でもはや売却できない?」というケースもあります。
父親が亡くなって相続が発生した後の住まいの問題でもめるケースも多い
今回の民法大改正において「配偶者の居住権の確保」が設けられました。
この意味がわかりますか?
父親が亡くなって相続が発生しても配偶者である妻はそのままその家に住み続けられる権利です。
現状の制度でも、配偶者が自宅の所有権を相続すれば住み続けることは可能ですが、その分遺産分割で得られる他の財産は少なくなってしまいます。
新設される配偶者居住権を利用すれば、自宅に住み続けることもでき、生活資金も確保できるようにしてあげようというのです。
わざわざ民法大改正の目玉ともいわれるこの「配偶者居住権」新設ですが、第三者から見れば至極当たり前のことのようにみえるのになぜわざわざ法律改正までして明文化しなければいけないのか?をよく考えて欲しいものです。
それだけ相続でもめるケースが多いということなのでしょう。
大きな問題は遺産のほとんどがマイホームなどの不動産の場合なんです。
多くの相続では最初の父親の相続できちんと相続手続き(登記名義変更など)をしないケースも珍しくありません。
ただ子供たちも口には出さないけれど喉から手が出るほど欲しい親の遺産です。
母親が住んでいる以上そのまま黙っています。
しかし、そんな宙ぶらりんのまま
「老人ホーム入居資金に充てる」
「母親の老後の生活資金に充てる」
ために売却するという段階になって不平不満を言い出すケースも珍しくないのです。
(特に義理の嫁や夫が・・・?)
子供に迷惑をかけないために老人ホーム入所を真剣に検討する
確かに最期まで自宅で老後を過ごすことができれば理想なのですが現実はそう簡単なことではありません。
いずれ老人ホームのことも考えなければいけない時期がやってきます。
問題は「それがいつなのか?」のタイミングが重要です。
あなたがわかままを言い続ける限り子供たちに大きな迷惑や負担をかけてしまっていることも気付いてくださいね。
「意外と快適な老人ホームでの生活」ということも多いです。
老人ホームには様々な種類とタイプがあります。どの老人ホームもすべての方が快適というわけではありません。
要介護度が高い方には病院に近い「介護付き老人ホーム」がよいかもしれません。
まだまだお元気な方には「住宅型老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」がよいかもしれません。
このあたりは入る方の状況によって変わってきます。
生活全般において「医療」や「介護・介助」が必要な高齢者もいらっしゃいます。
バリアフリーの住みやすい住まいで必要最低限の生活介助で十分という高齢者もいらっしゃいます。
どのタイプの老人ホームを選ぶかは各人の事情や環境で変わってきます。
「もう親の介護は限界!介護できない!」 そんな深刻なお悩みを抱えている方は少なくありません。 でも、あなたの胸に手を当てて聞いてみて欲しいのは 「もう親の介護はできない」というよりは でも本当は「もう親の介護なんてしたく …