百点満点の老人ホームなどありません。
やはり「長年住み慣れた我が家で」「家族による介護で」に優るものがないのが現実です。
だからこそ親を老人ホーム・介護施設に入れることに迷い・後悔・罪悪感・不安・心配を感じてしまうのも仕方ないことかもしれません。
でも、親の介護をプロに任せるのも時には良い結果を招きます。
距離が近すぎるからこそ起こる親子の喧嘩です。
ある程度の距離が生まれてこそ「親に優しくできる」ものです。
「どうかうちの親をよろしくい願いします」
これくらいの割り切りも必要なことなんです。
あなたが「親の老人ホーム入居」に罪悪感を感じてはいけない
『今のままこの実家で独り暮らしを続けさせてあげるべきか?』
『いや、このままでは心配なので老人ホームに親を入れるべきなのか?』
高齢の親を持つ子供ならいつかは直面する問題です。
そこには子供の気持ちとしての「葛藤」「不安」「後悔」の言葉がなんども浮かんできてなかなか決断や言い出しにくいものです。
そんな「親を老人ホームに入れることをためらっている」方によく質問するのは?
『親の老人ホーム入居を考え始めた理由をもう一度思い出していただけませんか?』
何件か希望条件に近い施設も候補に挙がってきた。
「さあ、この中でどの老人ホームにしようか?」という段階になって
『親の老人ホーム入居』に後ろめたさや罪悪感』
を感じで顔を曇らせてしまう子供たちも多くいます。
そんな時にいつも私がお願いするのが・・・?
『そうですよね、なかなかお父さんやお母さんに老人ホームに入ってもらうことはなかなか難しい決断ですよね?
でもなぜ老人ホーム探しを始めたのか?
その理由やきっかけをもう一度だけ思い出してみてね?』
というお願いをよくさせていだだきます。
親本人にも子供たちにも
「どうして老人ホームを探しを始めたのか?」
このことを何度も何度も思い出していただかないと老人ホーム入居の決断は難しいのです。
親も子供もそこを何度も再確認しながら老人ホームを探さないとすぐに挫折してしまいます。
それくらい「親の老人ホーム入居の決断」は難しく辛いものなのです。
「住み慣れた我が家から離れて暮らすこと」への不安や悲しみはとても大きいものですからね。
「今のままでは実家暮らしはもうできない!させられない!という現実を再確認
たいていの方が「親の老人ホーム入居」を考え出したのにはなにかしらの理由やハプニングがあるものです。
こんなことがあったからこそ老人ホーム入居を検討しだしたのではないですか?
どのお鍋も焦げ付かせて真っ黒けで、いつ火事を起こしても不思議ではない。
自宅で転倒し骨折などの大怪我をした。
老老介護で介護の共倒れが心配。
入院した病院から退院の際に老人ホーム入居を勧められた。
日常生活の状態をよく知っているケアマネージャーから老人ホーム入居を勧められた。
あなたも「もうこのまま実家暮らしはできない!させられない!」ということはわかっているはず。
それでも親の気持ちを考えたらなかなか「老人ホーム入居」は決断し難いものです。
きっとその話をしたら親自身も嫌な顔をされることでしょう。
「できることなら今の暮らしを続けさせてあげたい」と考えるのはごく当たり前の気持ちです。
たとえ親を老人ホームに入れることに罪悪感を感じても「もうこれ以上の自宅での介護が難しい」ことはあなたも自覚しているのではないですか?そしてもうあまり残された時間の無いことも・・・?
『老人ホーム入居を勧めること』を『親不孝なこと』とは考えないで下さい。
確かに親に老人ホーム入居を勧める時に子供はまるで親不孝をしているような罪悪感を感じることもあります。
でも「決して親不孝なことではないんじゃないですか?」と思うんです。
だって誰も親を好き好んで老人ホームに入れるわけじゃないんですから・・・
プロと素人の介護の違い
確かに家族による介護のほうが介護されるほうも気兼ねなく任せることができるともいえます。
親の介護を他人に任せきることにはみなさん抵抗もあるでしょうね。
しかし、意外と素人介護は「介護するほうも大きな負担」ですし「介護されるほうにも良くない」ことがあります。
なにごとも「プロに任せる」ほうが結果的に「介護する」ほうも「介護される」ほうも良い結果になることも多いのです。
ある奥様(82歳)は寝たきりの夫(88歳)の介護を数年前からされてきました。
いわゆる老老介護です。
しかし奥様も高齢のため「夜のオムツ交換」「寝返り介助」などができないためお家の中は悪臭が漂う不衛生な状態で夫の体にはひどい床ずれも発症していました。
買い物にもなかなか行けない奥様でしたから食事も簡素で偏ったものになりがちで「栄養状態もよくない」と医師の指摘もありました。
お風呂も巡回入浴サービスを利用されていたそうですが一回のお風呂もそれはそれは大変な大仕事だったそうで、そう頻繁に入れてはあげられなかったそうです。
介護疲れから高齢の奥様も体調を崩されてしまい、離れて暮らす娘さんは両親の世話と自分の家庭の両立に大変だったそうです。
心配された娘さんが根気強く親を説得して、やっとお父さんを老人ホームに入居させました。
するとやはりプロの介護のおかげで栄養状態も改善されてひどい床ずれもすぐになくなり以前よりはるかに元気になられました。
娘さん自身も
「もう少し早く老人ホーム入居を考えるべきだったのかもしれません。
父さん母さんにはかわいそうなことをしたかもしれませんね」
と話されていました。
当初は家族以外の他人に世話をされることを拒んでいたお父さんでしたが、馴染みの女性介護職員さんもできたようで身体の世話をされながら軽く冗談で憎まれ口を叩き介護職員さんと談笑する姿には娘さんは少々驚かれたそうです。
夫の介護の負担の減った奥様の体調も良くなり娘さんも一安心されれました。
今はお母さんを連れてお父さんの老人ホームに逢いに行かれるのが日課となった娘さんです。
確かに頻繁にお父さんに逢いに行くのも大変なことですが、それでも以前の両親二人が倒れてしまった状況よりは楽になったそうです。
多くの方が間違った老人ホームのイメージを持っている
「親を老人ホームになんかに入れてしまうとすぐにボケると親戚が言っていた!」
「老人ホームに入ると早死にするってよく聞きます!」
「老人ホームは出入りも制限されていて刑務所か座敷牢みたいなところで自由がない!」
そんな認識を持っている方も正直たくさんいらっしゃいます。
確かにそれを否定できない老人ホームもあるのも現実です。
しかし、きちんとした老人ホームも沢山あるのです。
ただやはりある程度の費用は覚悟しなければいけませんが、やはりそれなりの手厚い介護を期待するのならあおれなりの費用も必要です。ただみなさん 格安ホテル並の料金で一流ホテル並みのサービスを期待される方が多いので困ってもいますが・・・。
まあ確かに一般の方の「老人ホームのイメージ」はよくテレビで紹介されている「特別養護老人ホーム」をイメージされているせいかもしれません。
この特別養護老人ホームは今は介護依存度の高い人しか入れません。(要介護度3以上)
その中には重度の認知症の方も多く入所しています。認知症の方の徘徊防止に出入りを厳重に管理しないといけないません。そのため「刑務所みたいに自由に出入りうができない」と考える方もいます。また医療依存度の高い方も多くそこで亡くなっていく方も少なくありません。
そのため老人ホームに悪いイメージを持つ方も少なくありません。
でも、しっかりと探せば素敵な老人ホームもたくさんあるのです。
いつもながらプロの介護はすごいなぁ!!
とよく感じることが多いです。
でも、今の老人ホームは進化していて、いろいろなタイプがあります
昔と違って今の老人ホームはかなり進化していますしバラエティに富んでいます。
「どれだけの介護が必要なのか?」「どんな暮らしがしたいのか?」をニーズに合わせてさまざまな種類の老人ホームが出来てきているのです。
例えば日常生活の手助け(食事・入浴・掃除・洗濯etc)と万が一の見守りサービスが主で介護は外部のサービスを利用できる比較的自由な暮らしができる老人ホームもたくさんあります。
また夫婦二人で入居できる老人ホームもあります。
いまは「どんな老後生活をおくりたいか?」「今の問題点を解決してくれる」老人ホームも沢山あるのです。
「百聞は一見に如かず」といいますから、一度私たちに気軽に見学の相談をしてみて下さい。きっと驚かれると思います。
どんどん新しい老人ホームができてきていてさずがにちょっと増えすぎ?ともいえるかもしれませんが、良い意味で競争ができつつありどこの老人ホームもそのサービス充実に力を入れています。
例えば季節季節のイベント(餅つき・お花見etc)やリクレーションを催して入居者の気分転換にもなっています。
親の介護依存度やお身体の状態によって検討すべき老人ホームの種類も変わるということも知っておいてください。
・医療介護が必要な方
・日常生活の介護だけが必要な方
それぞれに合った老人ホームを選ぶことが大切なんです。
老人ホームに関して決して固定観念だけで考えないで欲しいのです。
親の老人ホーム入居のタイミングを間違うと家族みんなが不幸に
親の老人ホーム入居のタイミングって難しいですよね?
やっぱり親自身も「老人ホームになんか入りたくない!」という気持ちが本音です。
しかし、いつまで先延ばししできる問題でもありません。
親の老人ホーム入居のタイミングを間違うと親自身も子供たち自信も不幸になることがあるのです。
親の身体が急に衰える、病気になる
「親にはできるだけ元気で長生きして欲しい!」
これは高齢の親をもつ子供ならみんな同じ気持ちです。
しかしそんな子供の気持ちがいくら強くても現実に親が急に衰えて身体が弱ってしまうことがあります。
「まあ、なんとか親の介護もできているから?」と今の状態が今後もずっと続く?楽観的すぎりケースも少なくありません。
5年後?10年後?いや1年後に起こりうることに備えておかないといけません。
後で考えると『やっぱりもう少し早く老人ホームのことを考えておけばよかったのかも?』 と後悔されるご家族も少なくないのです。
怪我や病気が原因で『即入院』
「自宅でちょっと転んだだけで骨折?」
「軽い脳梗塞?」
「糖尿病など持病の悪化?」
などなどで高齢者はちょっとしたことでも「即入院」ということになってしまうことは親の入院を何度も経験しているあなたならわかっていることだと思います。
病気だろうと怪我であろうとこの「入院」が今までの状況を一変させる事態になってしまうことが多いのです。
「せん妄」が認知症のきっかけに?
母が脳梗塞で入院してすぐに
「ここどこや?あんた誰や?」
と言い出しました。
最初は「冗談を言っているだけ?」とも思いましたが様子が変です。
担当の医師に相談すると 「せん妄です!」 と説明を受けました。
高齢者は身体的や精神的に大きなショックを受けると一時的に認知症の症状を起こすそうです。
「先生、じきに元に戻りますよね?」と訊ねると 「時間が経てば元に戻る方もいますし、そのまま認知症になってしまう方もいます」 と衝撃的な宣告を受けてしまいました。
案の定 母はその後 あっちの世界(認知症)にいることが多くなりました。
ちょっとした事故が寝たきりの生活のきっかけになる
高齢者の事故の多くが住みなれた自宅で起こっています。
ほんのちょっとした段差でつまづいて転んで骨折。
※骨粗しょう症はちょっとしたことでも簡単に骨折します。
それが原因で寝たきり生活になってしまう?ということはすごく多いのが現実です。
確かに住みなれた我が家で暮らさせてあげたい気持ちもよくわかるのですが、もし危険な我が家で暮らさせ続けるのなら「もしもの事故」も覚悟しておかなければいけません。
先にもお話したのですが、入院をきっかけに介護の負担がドーンと一気に重くなるということも覚悟はしておいてくださいね。
とにかく親を老人ホームに入れることの罪悪感よりすべての可能性を考えてから老人ホーム入居の是非を考えましょう
今の状況を考えれば「頭ではわかっていてもどうしても親を老人ホームに入れることを決断できない?!」というあなたの気持ちは私も親の介護を経験してきてよくわかります。
いつまでたっても
「このまま自宅で暮らしを続けさせることはできない?」
でも
「老人ホームに入れるのは可哀想?」
と堂々巡りでなかなか答えが見つからないものです。
だから
悩みましょう!
考えましょう!
そして最後には
「これでよかったんだ!」と笑いましょう!
えぇ、涙を流しながらでもね
「もう親の介護は限界!介護できない!」 そんな深刻なお悩みを抱えている方は少なくありません。 でも、あなたの胸に手を当てて聞いてみて欲しいのは 「もう親の介護はできない」というよりは でも本当は「もう親の介護なんてしたく …